留学にはどういった種類があるか
昔は「留学」しますというだけで、「すごい!」とか「特待生」的な見方で見られていましたが、今では留学といっても昔に比べてかなり一般的になっています。そして、その種類も多岐にわたっています。一昔前の留学だと、日本の大学の優等生として選ばれてイギリスの大学に派遣されるとか、選りすぐりの交換留学生とか、どこかの地方自治体の特命使節として派遣されるとか、かなりハードルの高いものとして見られた過去があると思いますが、留学は今では至って普通に見聞きします。それだけ海外との交流が盛んになってきており、渡航費も安くなり、海外の情報も簡単に入手できるようになったという背景もあると思います。そして、その留学には英語を学ぶ語学留学から、大学進学や大学院進学の正規留学、専門留学など様々なタイプがあります。ワーキングホリデーやインターンシップ、ホームステイなども広義の意味での留学に相当する場合もあります。その中でも最も身近で、英語ができなくても実現可能な留学として語学留学を挙げることができます。
語学留学について簡単な説明
その身近で最も気軽にできる留学でもある語学留学ですが、ここでは一般的な語学留学について簡単に説明しておきます。
語学留学は文字通り語学を習得するための留学です。そのため、日常で使う英語(「一般英語」と呼んでいます)を学ぶ限りにおいては、留学に際し英語力は問われません。ですので、英語ができなくても大丈夫かどうかを心配する必要はありません。但し、TOEICなどの試験対策を目的とした英語のコースやビジネスや大学進学向けの英語コースを学ぶ場合は英語力は問われます。この留学の多くは語学学校で学ぶことになります。期間やコース開始時期も多くの語学学校では毎週から受け入れてくれて、ご希望の期間で受講を認めてくれます。そのため1ヶ月や2ヶ月といった短期という場合もあれば、半年以上〜1年という長期になる場合もあります。
正規留学って何?
色々な留学関連の情報を見ていると「正規留学」という言葉を目にするときもあるかと思います。留学の主流になってきた語学留学とこれまで抱かれていた”留学”の一般的なイメージである大学留学とを区別する呼び方で、大学や大学院への留学を総称して正規留学と呼ぶ場合もあります。要するに昔ながらの範疇で考えられている留学のことです。大学に進学して講義をとり、専攻を学び、ゼミに入り、論文を仕上げていく学士課程や修士課程、研究一筋の博士課程へと進む留学です。大学に進学するので、この留学にはもちろん高い英語力は必須です。語学留学のように基本は誰でもOKというのではなく、入学のための審査がばっちり行われます。
進学準備留学とは
大学への正規留学を目指すための留学という形態もあり、進学準備留学と呼んで良いのかまだ留学の冠を付けた呼称はないですが、このような進学準備コースも多数開講されています。英語ではPathwayプログラムやFoundationプログラムと呼ばれていたりもします。国によって教育システムも異なりますし、英語力がなかなか上がらないという場合もあるかと思いますので、大学や大学院に入る前にワンクッションおいて英語だけでなく大学進学や出願に向けた準備をしましょうというのが大まかな主旨です。語学学校が開講していたり、大学主催で開講されていたりと運営主体も異なります。
専門留学
専門留学は、現地の公立職業訓練校(イギリスの場合は公立カレッジ)や私立の専門学校で専門的なスキルを習得していく留学になります。分野で言うと、アート・ファッション・美容・料理・ビジネス・ガーデニング・ダンス・音楽・建築などなど多岐にわたります。これらの領域で留学するためにも、バックグランドとしての経験が求められたり、英語力ももちろん求められます。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは留学という部類に入れるのは少し無理があるかもしれませんが、学校で何かを学ぶということは必ずしも必要ではありません。学習というよりはどちらかと言えば、体験が主流となっています。現地でレジャーや現地の国での体験を目的に滞在することに主眼が置かれ、その扶助のために働くことが認められているという位置づけです。そのため就労を前提としているものではありません。ですが就労もできるので、なかなか線引きが難しい所ではあります。ワーキングホリデーで行ける国は限定されていますので、行きたい国にワーホリ制度があるかしかっりチェックしましょう。ちなみにイギリスでは、ワーキングホリデーとは言わず、Youth Mobility Scheme(ユースモビリティ―スキーム)という名称で実施されています。
インターンシップ
インターンシップは、就労体験のことで、企業やお店などで就労体験ができることを言います。こちらも広い意味での留学に入れることができるかもしれません。無給だったり、有給だったりしますが、多くの場合は無給が多いです。ですが、インターンシップができる機会もどんどん制限されてきていて、なかなか簡単にインターンシップでいる国は多くはありません。イギリスではヨーロッパ圏国籍の方にはインターンや就労機会が開かれていますが、日本国籍保有者にはインターンシップは基本的に就労ビザで認められています(学生でも一部は可能)。そのためワーキングホリデーでしたら日本国籍の方もインターンシップが可能となっています。
その他の留学
それ以外の留学ということになれば、語学留学をしながらお稽古的に何かレッスンを受ける語学プラス型の留学。50代・60代の方向けの語学留学であるシニア留学。親子で語学留学を行う親子留学。現地の中学や高校に通う、中学留学や高校留学といった種類の留学も行われています。
どういった留学がご自身には向いているのか、ご自身が目指すべき目標にどういった留学が役に立つか、しっかり考えてご自身に合った留学を選んでみてください。